18歳以上成人患者から6歳以上小児患者まで対象年齢拡大
エーザイ株式会社は10月3日、英国子会社であるエーザイ・リミテッドが欧州委員会(European Commission:EC)に提出していた、抗てんかん剤「Zonegran(R)」(一般名:ゾニサミド)に関する小児適応の追加申請について、承認を取得したと発表した。これにより、てんかんの二次性全般化発作を含む部分発作に対する併用療法としての適応で、対象が従来の18歳以上成人患者から、6歳以上の小児患者へと拡大されたことになる。
Zonegranは、大日本製薬株式会社(現:大日本住友製薬株式会社)が創製、ライセンス元となっている抗てんかん剤で、Naチャネルの阻害およびT型Caチャネル(低濃度作働性Caチャネル)の阻害による神経細胞の興奮抑制により効果を発揮するもの。欧州ではエーザイが開発を行い、2005年3月に成人部分てんかんの併用療法で承認を取得、2012年6月には単剤療法でも承認を取得し、現在、同社の欧州子会社が販売を展開している。
(画像はプレスリリースより)
312試験に基づき申請、承認を取得
今回承認を取得した追加適応の申請は、臨床第III相試験(312試験)の結果に基づいて行われた。この312試験は、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験として、1~2種類の抗てんかん薬での治療歴をもつ部分発作を有する6~17歳の小児てんかん患者207人を対象に、併用療法の評価を目的として実施されている。
Zonegran(ゾニサミド)投与群は、主要評価項目である12週間の用量維持療法期間中の50%レスポンダーレートで50.5%と、プラセボ群の31.0%に対して、有意に高い値を記録したという。また安全性と忍容性に関する全有害事象の発生率は、ゾニサミド投与群、プラセボ投与群でほぼ同じとなり、高い有効性が示されている。
エーザイはてんかん領域を重点疾患領域と位置づけており、欧州においても積極的な販売展開を行っている。同社では、今後も豊富な製品ラインナップに基づく複数の治療オプションを提供していくとしている。(紫音 裕)
▼外部リンク
エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201357.html