■道薬が実態調査‐対面販売の有用性示す
一般薬の販売実態を調べたところ、薬局の来店者数の1・8%が何らかの理由により対面販売でなければ対応できなかったことが、北海道薬剤師会が実施した調査で明らかになった。来店者が求めた一般薬が既に処方されている医療用医薬品と重複していたり、受診勧奨を行ったために販売しなかった事例があり、道薬では「薬剤師による対面販売の有用性を証明するもの」としている。
調査は、道薬の会員薬局を対象に、今年6月中旬から7月中旬にかけて実施した。郵送等で調査票を配布し、消費者の性別、年代、求めた商品名と商品群、販売に至らなかった理由を聞き、72薬局から167件の事例が集まった。
その結果、薬局に来店した人の1・8%が、何らかの理由で一般薬の販売に至らなかったことが明らかになった。その理由としては(複数回答)、▽受診勧奨を行った事例が0・6%(78件)▽薬が重複していた事例が0・5%(61件)▽商品を変更した事例が0・3%(32件)――などを挙げており、受診勧奨や商品の変更等、対面販売でなくては対応できない事例があったことが分かった。
そのほか、効能外や適用外だったり、相互作用のために販売しなかった事例、さらに過量購入の疑いや副作用の発現、前兆が見られたため販売しなかった事例がそれぞれ0・1%に見られ、事例は少ないものの、薬局における一般薬の対面販売が有効に機能していることが考えられた。
具体的な事例を見ると、第1類の解熱鎮痛薬「ロキソニンS」について販売に至らなかった事例が多く見られた。歯科医院で「ロキソプロフェンNA錠」を服用中だったり、整形外科から「ハイペン錠」と脳外科から「カロナール錠」を処方されていた事例等、解熱鎮痛薬が重複していたために販売しなかった事例が複数あったほか、以前から漫然と「ロキソニンS」を使用していた来店者に対し、偏頭痛の可能性で受診勧奨を行った事例も複数あった。
さらに、「医師から処方されている鎮痛薬が効かない」と訴え、薬局で「ロキソニンS」を指名した来店者に対し、お薬手帳を確認したところ、ロキソニンの後発品であることが判明。ロキソニンと同成分であることを説明し、相談した結果、商品変更となった事例も見られた。
今回の調査結果について、道薬は「薬局が一般薬を販売する際に消費者の安全、安心を担保していることが示されたものであり、薬剤師による対面販売の有用性を証明するものではないか」との認識を示している。
今後、道薬では、未だに一般薬を対面販売することの安全性が国民に理解されづらい状況にあるとして、さらに対面販売の必要性を訴えていく考えだ。