運動は健康のためにとても大切です。けれども、高齢になってくると、痛む場所があったり、億劫だったり、はたまた転んでしまうことを周りの人が心配したりで、運動習慣がついている人の割合はさほど高くない印象です。
(この画像はイメージです。Grant Cochrane/FreeDigitalPhotos.net)
こんな現状に活を入れるかのような調査結果がスペインのナバラ大学から報告されました。調査の対象は、90代のお年寄りです。彼らに、筋力トレーニングやバランス運動を改善するための、特別に考案された運動を12週間続けてもらったところ、健康に対するプラスの効果がしっかりと証明されたのです。
調査に参加したお年寄りは、91歳から96歳の24人で、このうちの13人に運動を行ってもらいました。運動した人、しない人を比較してみると、運動した人では、身体が動かしやすくなり日常生活でできる動作が増えた、転倒のリスクを下げられた、筋力をつけることができたなど、良い結果が見られました。そして、この結果は体力の衰えが激しいと思われる人たちの間で特に目立ったそうです。
2011年にドイツで報告された別の調査では、週に3~4回、適切な運動を続けることで、50歳以降の筋力の衰えを防止することができるとしたものもありました。
年をとっても健康を維持するには、積極的に身体を動かすことが大切です。これからの時期、寒くなることで運動量が減るお年寄りもいらっしゃるでしょうが、家の中でもできる運動などを工夫して、健康を保っていただきたいものですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Age ; ナバラ大学の論文要約
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11357-013-9586-z
The Intensity and Effects of Strength Training in the Elderly
http://www.aerzteblatt.de/int/archive/article?id=91108