2つの試験結果を公表
大正製薬株式会社が創製したSGLT2阻害剤「ルセオグリフロジン水和物」(以下「ルセオグリフロジン」)に関し、日本での第3相試験結果が第49回欧州糖尿病学会で発表された。
今回発表されたのは2試験で、いずれも日本人2型糖尿病患者を対象にした試験である。1つめの試験、Study-1は、日本人2型糖尿病患者158例を対象にした、第3相プラセボ対照二重盲検比較試験で、ルセオグリフロジン2.5mgまたはプラセボを1日1回24週間経口投与した。その結果、ルセオグリフロジンによりヘモグロビンA1c(HbA1c)が有意に低下し、投与終了時におけるベースラインからのHbA1c変化量のプラセボとの差は-0.75%(p<0.001)であったという。
(画像はwikiメディアより引用)
新規作用機序による経口血糖降下薬に期待
もう一つの試験、Study-2は、日本人2型糖尿病患者299例を対象にした第3相単剤長期投与試験で、ルセオグリフロジン2.5mg(血糖コントロールが不十分な場合には5mgに増量)を非盲検下で1日1回52週間経口投与した。その結果、ルセオグリフロジンはHbA1cを有意に低下させ、ベースラインからのHbA1c変化量は-0.50%(p<0.05)であったという。
また両試験で、ルセオグリフロジンにより空腹時血糖値および食後2時間における血糖値が有意に改善され、体重および腹周囲は有意に減少した。また安全性プロファイルも良好であったとしている。
以上のことから、ルセオグリフロジン単剤投与の高い有効性が認められ、52週間にわたる持続的効果が確認されたという。
ルセオグリフロジンは、腎尿細管において糖の再吸収を行う輸送体であるナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を選択的に阻害することにより、糖と尿を共に体外に排出し、血糖値を低下させる新しいタイプの薬剤。従来の経口血糖降下薬と作用機序が異なるため、同社は、糖尿病治療に新しい選択肢の提供ができると期待している。(堤朝子)
▼外部リンク
大正製薬株式会社 ニュースリリース2013年9月26日
http://www.taisho-holdings.co.jp/