「患者」「整形外科医」「内科的疾患の治療医」で情報共有がなされていない実態
痛み治療によく用いられるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)。優れた消炎鎮痛効果の一方で、一部の薬剤で消化管障害など副作用の危険性もあり、処方時には、痛み治療以外で、他の疾患・症状がないか、その処方内容は何かなどを確認することが重要だ。最近では第一類医薬品として市販されているNSAIDsもあり、服薬者のすそ野は広がる傾向にある。
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QLifeでは、「痛みの治療」で整形外科を受診し、かつ「高血圧」「胃、十二指腸潰瘍」「脂質異常症」「糖尿病」などNSAIDsの副作用リスクが比較的高い疾患を持つ患者を対象に、「痛み治療に関する情報提供について」アンケートを行った。
調査の結果、整形外科医に、「痛み以外の」治療疾患があることを伝えた患者は77%。内科系医師に、「痛みの治療」をしていることを伝えた患者は63%となるなど、「患者」「整形外科医」「内科的疾患の治療医」の3者間で必ずしも情報共有がなされていない実態が明らかとなった。さらに、整形外科医師は内科系医師に比べて、あまり副作用リスクを説明しないことも明らかとなった。
患者が“内科的疾患は痛みなどの疾患と関連性が薄い”と自己判断している可能性
この結果について筑波大学附属病院光学医療診療部長、病院教授の溝上裕士先生は、
NSAIDsの一種であるアスピリンが、抗血小板薬として循環器科、神経内科、脳外科などから処方されているケースが多く見受けられます。問診で潰瘍の既往歴の有無などもしっかりとヒアリングし、整形外科など他科から痛み止めとして処方されているNSAIDsの情報も大切です。また、患者は“内科的疾患は痛みなどの疾患と関連性が薄い”と自己判断し、他科での受診情報を伝えていない可能性があります。
とコメントしている。今回の調査はインターネットで2013年8月19日から2013年8月26日まで行われ、269人から回答を得た。(QLifePro編集部)
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