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同日、同支部が置かれるグランフロント大阪ナレッジキャピタルタワーC9F(大阪市北区)で開所式を開催。PMDAの近藤達也理事長は、「関西支部の開設は、自治体や経済界が国に要望することで始まった。一方、PMDAでは、11年度から日本発の革新的な医薬品創出をアシストするため、薬事戦略相談事業を開始した」とこれまでの経緯を説明。
その上で、「双方の動きが事業へと一致して、関西に拠点を構えることで、より機能的にニーズに対応できるようになった。今後もより一層、有効で安全な医薬品・医療機器を現場に届けられるように努めていきたい」と抱負を述べた。
来賓として出席した今別府敏雄厚生労働省医薬食品局長は、「今年6月に政府が閣議決定した再興戦略の中でPMDAの強化が明確にされた。PMDAでは、今回の関西支部開設を契機に、医薬基盤研究所の創薬支援戦略室との連携を図りながら、革新的な医薬品等の開発促進につなげていきたい」と田村憲久厚生労働大臣の祝辞を代読した。
続いて、松井一郎大阪府知事は「関西イノベーション国際戦略総合特区構想を成功に導き、長引く関西経済の不況を脱するためには、関西支部が重要なツールとなる。関西支部は、大阪の経済全体を引っ張る核になってほしい」と期待の大きさを示した。
手代木功日本製薬工業協会会長(塩野義製薬社長)は、「製薬協では、日本がアジアの中心になるには、PMDAの審査がキーポイントになると考えている。地理的にアジアに近い関西支部が、その役割を担えるようにわれわれも力を注ぎたい」と強調。相良暁大阪医薬品協会会長(小野薬品社長)も、「関西支部開設を契機に、関西からイノベーションを創出し、日本のイノベーションを牽引できるように努めたい」と訴えかけた。
米田悦啓基盤研理事長は、「今年度から、全国のアカデミアやベンチャーの創薬シーズや創薬に関わる技術を発掘する創薬支援ネットワークを構築し、既に100件を超えるシーズの検証がスタートしている」と報告し、「関西支部と連携し、1日でも早く画期的な新薬を世に送り出したい」と意欲を示した。