ディスレクシア、失読症などと呼ばれる障害をご存じですか?目で見た文字の情報が、脳に伝わる時に、他の人とは違う情報伝達が起こると考えられており、文字を認識できなかったり、異なる文字の違いが分からなかったりといった症状があります。多くの人に覚えがある、「漢字は読めるけれども、書けない」というのも、広くはディスレクシアの症状の一つと考える人もいるそうです。ディスレクシアと診断されている人の多くは、目の機能や、知的能力には問題が認められません。
(画像はイメージです。 adamr/FreeDigitalPhotos.net)
日本ではもう少し割合が低いようですが、アメリカでは10人に2人が、ディスレクシアのなんらかの症状を抱えているともいわれています。古くはアインシュタインやレオナルド・ダ・ヴィンチ、最近ではトム・クルーズやキアヌ・リーブスもディスレクシアであることが知られています。このように、ディスレクシアを抱えていても、様々な分野で世界的に活躍している人がいる一方で、早くから読み書きで問題を抱える子どもたちも多くいるのが現実です。
ところが、数年前から急速に普及してきた電子ブックリーダーが、ディスレクシアの人たちの読書に効果的であるという報告がPLOS ONEに寄せられました。
1行で表示させる単語数を、2-3語に制限し、ディスレクシアと診断されている103人の高校生に電子ブックリーダーを使って読書をしてもらったところ、読書スピードや読解力など、様々な面で、通常の書籍を読むよりも高いスコアが得られたそうです。
このことから、電子ブックリーダーを使っての読書は、読み書きに問題がある人たちが、これを克服して、持っている能力を最大限に発揮することをサポートする手段であると期待されています。電子ブックリーダーの魅力は、これまでも色々と報道されてきましたが、こんな実力を備えていたとは驚きですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Smithsonian experts find e-readers can make reading easier for those with dyslexia
http://www.eurekalert.org/pub_releases/
PLOS ONE ; E-Readers Are More Effective than Paper for Some with Dyslexia
http://www.plosone.org/