1日1回吸入「ウルティブロ吸入用カプセル」
ノバルティスファーマ株式会社は9月20日、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬として、「ウルティブロ(R)吸入用カプセル」(一般名:グリコピロニウム臭化物/インダカテロールマレイン酸塩、以下「ウルティブロ」)の製造販売承認を取得したと発表した。
この「ウルティブロ」は、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)と、長時間作用性β2刺激薬(LABA)の配合剤。日本国内ではこれまでにこうした配合剤はなく、これが初のものとなる。
(画像はwikiメディアより引用 参考イメージ)
2剤以上の吸入による負担の重さを軽減
グリコピロニウム臭化物は、気管支平滑筋の収縮に関わるコリン作動性ムスカリン受容体に対して拮抗作用を示し、長時間にわたって起動収縮作用を阻害、気管支を拡張することにより、呼吸機能を改善するLAMA。
インダカテロールマレイン酸塩は、気管支平滑筋のβ2受容体に作用して気管支を拡張させるもので、効果の発現の速さと持続性を兼ね備えている。
この2つの配合剤である「ウルティブロ」は専用の吸入器「ブリーズへラー(R)」を用いて吸入する。なお、慢性閉塞性肺疾患の症状の長期管理に用いるものであり、慢性閉塞性肺疾患増悪時における急性期治療を目的として使用する治療剤ではない。
COPD治療においては、作用機序の異なる薬剤が併用されることが多く、またそのほとんどの場合で、それぞれ薬剤により吸入器が異なるため、2剤以上の吸入薬使用に、2つ以上の種類の吸入器を用いる必要があり、高齢者率の高いCOPD患者にとって負担が大きく、治療アドヒアランスの低下の原因となっていることが指摘されてきた。
よって、配合剤として1回の吸入で十分な気管支拡張効果を得られ、速やかな症状改善が得られる「ウルティブロ」のような新治療薬のニーズは高いものと考えられる。(紫音 裕)
▼外部リンク
ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2013/