高齢になっても、生活の上での行動範囲が変わらないことは、健康の現れです。けれども、ちょっとした病気やケガがきっかけで、日常生活でこれまで、苦もなくできていたことが、できなくなってしまうお年寄りもいます。生活の質は、日常での活動や動作に大きく左右されるので、身体的な理由で、なにかができなくなるというのは、「老い」の過程の中での重要なサインになります。
(画像はイメージです。Simon Howden\FreeDigitalPhotos.net)
アメリカのアラバマ大学で、老年期の患者さんについてを調査研究しているブラウン医師は、「なにかができなくなることは、滑りやすい坂道の一番上。ここを滑り落ちると、次々にできないことが増えてしまう。」と指摘します。ブラウン先生は、医師になる前に10年間、理学療法士として働いており、お年寄りの身体の動きと、健やかな老いに関して、豊富な経験をしてきました。
ブラウン先生は、お年寄りが今現在、日常生活での動きに問題がないかどうかを知るには、二つの質問だけで十分だと言います。
「階段を10段上がることか、4分の1マイル歩くことに対して、何らかの助けが必要ですか?」(アラバマ大学 バーミンガム校 サイトより。)
が、この二つの質問。
ブラウン先生は、お年寄りにこれらの質問を投げかけたときに、一つでもイエスという答えがきかれた場合には、健康上問題がないように見えても、一度受診をすすめ、健康状態をチェックすると共に、日常生活での動きに必要な補助具、介護用具の導入なども検討すると良いと指摘しています。
お年寄りと共に暮らす方は、このように簡単にお年寄りの健康状態を把握できるような知識を身につけておきたいものですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
アラバマ大学 バーミンガム校 ; UAB paper suggests mobility is key to healthy aging
http://www.uab.edu/news/
Mobility Limitation in the Older Patient ; A Clinical Review
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1738875