肝硬変の浮腫や腹水に
大塚製薬株式会社は9月17日、バソプレシンV2-受容体拮抗剤「サムスカ(R)錠7.5mg」(一般名:トルバプタン)に関し、水利尿薬として世界で初めて「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」についての追加効能の承認を取得したことを発表した。
(画像はプレスリリースより)
「サムスカ」は大塚製薬が創製した非ペプチド性バソプレシンV2-受容体拮抗剤。V2-受容体におけるバソプレシン(抗利尿ホルモン)の働きを抑制し、尿中から血中への水の再吸収を減少させる。ナトリウムなどの電解質排泄に直接の影響を与えることなく、水分のみを体外へ排出することができるという。
国内に約27万人いる肝硬変患者の約1/3は、手足の浮腫や腹水による膨満感など、日常生活に問題を抱えている。治療には利尿薬が処方されるが、電解質のバランスが崩れたり腎機能が低下することもあり、「サムスカ」のように作用機序の異なる新しい利尿薬が望まれていた。
世界14ヶ国・地域で販売
「サムスカ錠」は、低ナトリウム血症の治療薬として2009年6月にアメリカ、同年8月にはイギリスやドイツなどのヨーロッパでも販売を開始したもの。日本では2010年12月より世界初となる水利尿薬として心不全の体液貯留の適応症で販売しており、現在は世界14ヶ国・地域で販売されている。(小林 周)
▼外部リンク
大塚製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.otsuka.co.jp/company/release/2013/0917_01