合成副腎皮質ホルモン剤「プレドニン」
塩野義製薬株式会社は9月13日、同社の合成副腎皮質ホルモン剤「プレドニン(R)錠5mg」(一般名:プレドニゾロン)に関し、同日付で、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの効能・効果についての追加承認を取得したと発表した。塩野義製薬では、厚生労働省に対し、今年2月26日にこの申請を行っていた。
プレドニン錠については、2013年2月7日に開催された、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会において、事前評価が行われ、医学的に公知として、臨床試験を新たに実施することなく申請を行って差し支えないと判断された。そのため、公知申請により効能追加承認申請を行って、今回の承認取得となった。
(画像はwikiメディアより引用 参考イメージ)
保険償還も、新たな治療選択肢の提供に
プレドニン錠におけるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの効能追加適応は、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高いものであると判断され、その結果を受けて、厚生労働省から、塩野義製薬に対し開発要請がなされていた。なお同剤は、2011年9月より、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの保険償還も認められている。
プレドニン錠は合成副腎皮質ホルモン剤として、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用のほか、広範囲にわたる代謝作用がある。炎症の原因に関わりなく炎症反応を抑制するほか、リンパ球を破壊するため、異常リンパ球が増える急性リンパ性白血病や悪性リンパ腫をはじめ、リンパ球が関連する多数の疾患に有効とされている。
筋ジストロフィーのなかでも、デュシェンヌ型はX染色体連鎖劣性遺伝をとるため、患者は男性のみ。有病率は人口10万人に3~5人といわれている。
塩野義製薬では、今後も引き続き未承認薬・適応外薬の解消に積極的に協力し、医療に貢献していくとしている。(紫音 裕)
▼外部リンク
塩野義製薬株式会社 プレスリリース
http://www.shionogi.co.jp/company/news/2013/