リハビリの負担を軽減
安川電機は、脳卒中などの歩行障害に対する足首アシスト歩行装置を、芝浦工業大学、広島大学、株式会社スペース・バイオ・ラボラトリーズと共同開発したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
脳卒中の患者は、片麻痺などの歩行障害から正常な歩行(歩容)ができずにADL(日常生活動作)の低下を招く場合が多い。歩行時の足首の底屈・背屈ができないと転倒するリスクが高いため、歩行リハビリでは一般的につま先がひっかからない角度に足首を固定した装具を装着している。また、療法士の口頭指示だけでは歩行時の足首の動かし方やタイミングの習得が困難で、正しい歩行ができない問題があった。
今回開発された装置では、同社のモーションコントロール技術・ロボット技術を応用した。両足の足裏センサの情報に基づいて、歩行に求められる足首の底屈・背屈の動きを補助することで、歩行リハビリを安全に長時間、反復して行えるようになっているという。
この装置で脳卒中などによる歩行障害の歩容が改善され、歩行能力が回復すると期待される。今後、臨床結果を集め、さらに改良を重ねて2015年の製品化を予定している。
足首アシスト歩行装置の特長
足裏センサの情報で足首の底背屈動作をモータでアシストすることで、立脚期の接地・重心の移動・蹴り出しと、遊脚期の振り出しがスムーズに行える。
装置構成が簡易であるため、装着・設定・調整に時間がかからないのも特長。小型・密着型で服の中に装着できるため、動きを妨げずに歩行リハビリができるという。また、足首駆動部分とコントローラを分離、小型扁平モータで直接足首を駆動させるため、足首部が軽量化し、患者の負担が小さくなっているとしている。
なお、この装置は国際福祉機器展(9月18日~20日・東京ビッグサイト)に参考出展される。(馬野鈴草)
▼外部リンク
株式会社安川電機 プレスリリース
http://www.yaskawa.co.jp/