頭部検査と心臓検査に最適化
東芝メディカルシステムズ株式会社は9月12日、高画質の3検出器型SPECT装置「デジタルガンマカメラ GCA-9300R(TM)」について、日本国内での販売を開始したことを発表した。3検出器型SPECT装置として販売されるシステムとしては、国内唯一のものとなる。
「デジタルガンマカメラ GCA-9300R」は、体内に投与した放射性医薬品から放出されるガンマ線を検出し、画像化する、核医学診断用の検出器回転型SPECT装置。SPECT(単一光子放射断層撮影)検査は近年、虚血性脳血管障害や虚血性心疾患における診断と治療方針の決定、また認知症の診断などにおいて、そのニーズと重要性が高まっている。
今回発売されたGCA-9300Rは、そうした医療現場のニーズに応えるため、頭部検査と心臓検査に最適化した、東芝メディカルシステムズ独自の設計で開発されたSPECT装置という。
(画像はイメージ)
さらなる高画質・高速化を実現、操作性も向上
SPECT画像を得るためには、検出器を360度回転させることが必要であり、従来の一般的2検出器型装置では、2つの検出器を180度回転させる。しかし、GCA-9300Rは3検出器型で、120度回転するだけとなるため、より効率よく収集することができる。よって、これまでと同等の検査時間であれば、さらに高画質な画像を得ることができ、また検査時間を短縮しても、従来の装置と同等の画質の画像を得ることが可能となっているという。
「3D-OSEM再構成」、「SSPAC」(エスエスパック)といった独自のソフトウェアのほか、東芝が蓄積してきた画像処理ソフトウェアも搭載し、従来よりも少ない放射性医薬品の投与量で、頭部・心臓に適した高画質SPECT画像を得ることができるようにもなったとしている。
また、これまで高評価を得てきた、東芝メディカルシステムズの3検出器型ガンマカメラ「GCA-9300A」(2003年販売終了)から受け継がれた、頭部用ファンビームコリメータがオプションとして用意されており、脳の深部にある情報をより明瞭に高分解能で描出することもできるという。
このほか、寝台や本体を操作するためのハンドスイッチ、頭部検査用のヘッドドーム、頭部位置合わせ用投光器、調整機能付きのヘッドレストなどを装備し、操作性の面でも大幅な向上を実現したと説明。高画質・高速データ処理、使いやすさを追求した最新装置として注目される。(紫音 裕)
▼外部リンク
東芝メディカルシステムズ ニュースリリース
http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/company/news/