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理研らの研究グループ 肺がんの新規バイオマーカーを発見

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2013年09月20日 PM12:37

肺がんの予後とリスクを予測

独立行政法人理化学研究所、公立大学法人横浜市立大学、神奈川県立がんセンターなどの共同研究グループは、肺がんの予後とリスクを予測する新しいバイオマーカーの発見を、9月12日発表した。

(画像はwikiメディアより引用)

研究成果は、米国オンライン科学誌「PLOS ONE」に掲載されている。

喫煙と女性非喫煙者の肺がんの関係

肺がんによる死亡率は国内でも19.7%と近年増加傾向にあり、男女ともにがんによる死因で最も多い。肺がんは喫煙との関連性が高いと言われるが、一方で肺腺がんは、非喫煙者の女性に多く発生しており、その原因は明らかではない。

研究グループは、細胞の防御に関わる「NRF2遺伝子」に着目。387人の肺がん患者の血液試料からゲノムDNAを抽出、遺伝多型解析を行った。NRF2遺伝子がコードする転写因子NRF2は、抗酸化遺伝子の発現制御などによる細胞防御と、一方でがんの増殖や抗がん剤抵抗性にも関係することがわかっている。また、NRF2遺伝子の一塩基多型(SNP)がNRF2遺伝子の発現に影響し、急性肺障害のリスクと関係すると言われている。

NRF2遺伝子のSNPと肺がんの予後

NRF2研究では、肺がん患者の性別や年齢、喫煙歴とSNPの関係性、また肺がんの種類と進行度、手術後の生存期間など、治療に直結する事項とSNPとの関係について分析。そこから、対立遺伝子が同じSNPである場合(SNPホモ接合体)は、手術後の5年生存率が良好という予後の予測ができた。一方、女性非喫煙者で、SNPホモ接合体の遺伝子を持つ人は、男性喫煙者よりも肺腺がんになるリスクが高いことがわかったという。

個別化医療に向けた新しいマーカーへ

肺がんの死亡率が高いのは、発見時にがんが進行していることが多いことも一因。今回のNRF3遺伝子SNPでがんの進行度や治療後の生存率が予測できることがわかった。これは患者の予後と、女性で喫煙しない人の肺がんリスク予測に有用だと考えられる。喫煙などによる肺がんリスクの個人差や性差に関わる遺伝子が解明されたことは、臨床上有用だと考えられ、患者の個別化医療に新しいアプローチとなると報告している。(長澤 直)

▼外部リンク

独立行政法人理化学研究所 プレスリリース
http://www.riken.jp/

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