ホッとする状態を検証
株式会社明治の食品開発研究所と金沢工業大学感動デザイン工学研究所の共同研究グループは、ホットミルクを飲むとリラックスする現象を科学的に確認したとして、研究成果を「第15回日本感性工学会大会」で発表した。
(wikiメディアより引用)
ホットミルクを飲むと身体があたたまりリラックスすることはよく知られている。牛乳中に含まれるメラトニンなどの栄養成分の関与が報告されているが、生体反応として科学的に検証した例はほとんどない。研究グループはヒトの心と身体の状態に着目して、ホットミルクの効果について比較実験を行った。
主観評価と生理機能を測定
被験者の20代男性10名に計算課題を3分間解答させて“ストレス状態”にした後、60℃のホットミルクを飲んだ場合とホットミルクと等カロリーになるようにショ糖を添加した60℃のお湯を飲んだ場合の違いを調べた。比較には(1)主観評価VAS(Visual Analog Scale)と(2)心電計測およびサーモグラフィによる顔面温度測定を用いた。
現在の緊張・リラックス状態を線の長さで評価する主観評価では、ホットミルクを飲んだ時のほうが緊張やイライラの度合いが低く、心理的にストレスが緩和されていることがわかったという。
次に心電計測およびサーモグラフィによる顔面温度測定を実施。ストレスにさらされると交感神経の活動が高まり顔面温度の低下を招く。測定を比較した結果、ホットミルクを飲んだ時のほうが統計的に交感神経活動指標が低い状態、つまり副交感神経活動が高いリラックス状態であることが明らかになったという。
この研究成果は「ホットミルクを飲むとリラックスする」現象を科学的に確認したもので、牛乳のさらなる販売促進につながるものとして期待できるとしている。(馬野鈴草)
▼外部リンク
株式会社明治 プレスリリース
http://www.meiji.co.jp/
金沢工業大学 ニュースリリース
http://www.kanazawa-it.ac.jp/