ヘブライ大学が、病気がちな子どもを抱える両親に朗報をもたらしました。
(画像はイメージです)
科学の進歩に従って、小さな子どもたちが抱える病気を早くに発見して、的確な治療ができるようになってきました。けれども、その中には、点滴や注射を必要とするものも多く、怖がったり泣いたりする子どもを見なければならないことは、多くの両親の心の負担になっていました。
エルサレムのヘブライ大学とハダサ・メディカルセンターという病院では、スタンフォード大学との協力体制を組んで、「Biodesign」という研究共同体を機能させています。チームの目的は、医療に役立つ発明を行うことです。医療関係者のみではなく、経営に関しても、大学院生からプロまで多様なメンバーで構成されています。
このチームが今回開発したものが、Semi-Automatic Catheter Insertion Gun(SACIG)と言われる機械。これを使うことで、痛みを感じる時間がないほど素早く血管に注射針を入れることが可能になりました。
子どもたちが注射を怖がるのは、それまでの痛みの経験に基づくことが多いもの。痛みを感じない処置であれば、「痛い」から「嫌だ」、そして暴れたり泣いたりするために「怖い」時間が長引き、更に動いてしまうことによって1回で針が入らず何度も「痛い」思いをする、という悪循環を断ち切ることができるのです。
この機会は、すでにハダサ・メディカルセンターの小児科病棟で試用されており、入院患児の両親の多くがとても喜んでいるとのことです。
実用化、そして日本を含む、世界中での使用にはまだまだ時間がかかりそうですが、着実な科学の進歩を感じ、嬉しくなる発明ですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Less Pain for Kids, With Robotic IV Insertion Device
http://new.huji.ac.il/en/article/18209
採血に対する幼児の反応・行動に影響を及ぼす要因
http://mitizane.ll.chiba-u.jp/metadb/up/assist1/n-0088.pdf