あなたは、痩せたときと、太ったとき、どちらが嬉しいと思いますか? (画像はイメージです。stockimages/freedigitalphotos.net )
私は個人的に、女性は特に痩せた時の方が嬉しいのではないかと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。ドイツで発表された研究報告では、体重が増えた時の方が心の健康度がアップするという内容が盛り込まれています。そして、この傾向は女性でより強くなるそうです。
これは、ドイツ人3,000人あまりを対象に、7年間にわたり追跡した調査の結果報告です。体重が10パーセント以上増えた女性では、身体的な健康度は低下してしまったにもかかわらず、心の健康度の自己評価がよくなっていたというのです。痩せすぎに悩んでいた人だけではありません。調査開始の時点で、既に肥満状態にあった人でも結果に変わりがなかったのです。
調査に携わった専門家は、この結果をとても興味深いと受け止め、この心の働きが、身体の健康を保つための減量の妨げになっている可能性もあると推測しています。もしそうであれば、この心の働きをさらに調査することで、より健康的な体重管理のアプローチを見つけることができるかもしれません。
現代では、肥満やメタボリック症候群は、世界中の多くの地域で社会問題になっています。一方で、ダイエットが思うように進まない人は多く、常により新しく、より効果のある方法が探されています。痩せれば嬉しい、という思い込みに縛られず、事実を注意深く見つめたことで得られた新しい発見、実際の健康管理に役立てられるような引き続きの取り組みが期待されています。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
The longitudinal association between weight change and health-related quality of life: the KORA S4/F4 cohort study
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00038-013-0506-x
Body weight influences both the physical and mental quality of life
http://www.helmholtz-muenchen.de/