実務実習の分科会では、東北6県のうち、秋田と山形には薬科大学がないこともあり、特に山形県で薬剤師を受け入れている施設にとっては、大学との接点がうまく見つけられないことが問題点として挙がった。
他のグループからは、指導者の均一性が保たれていないなどの課題も挙がり、指導薬剤師が薬局間の情報交換、研修会などを通してスキルアップに向けた取り組みをより徹底させる必要性も指摘された。
同分科会で司会を務めた金子俊幸氏(公立置賜総合病院薬剤部)は、学生が思い描いている指導内容と実際の実習内容にギャップがある点が「議論のポイントだった」と振り返り、「今後、指導者と大学側の連携を重視することが重要。大学側でどのような指導をしてほしいか、というニーズをしっかりすり合わせていく必要がある」とした。
東北地区学術大会の開催実現に向けて議論した生涯学習の分科会では、若手を中心とした実行委員会を早期に立ち上げ、まずは来年、福島県が担当する連合大会で、第1回の学術プログラムの企画を目指す方向で一致した。
各グループからは、▽東北6県が一つになって議論できる場が必要▽企画の目的やプログラムのテーマを明確に設定するべき▽市民公開講座など、地域住民に対する情報発信が必要――などの意見が寄せられた。同分科会では、モチベーションを維持した上で、これらの課題に取り組むためには、実行委員会の立ち上げが必要との認識を共有した。
日薬の組織率アップを議論した分科会では、薬局勤務の薬剤師は増えているのに対して、日薬の会員数がほぼ横ばいとなっている要因を分析。若手の薬剤師の入会率が低いことや、日薬の活動内容が十分に伝わっていない、会費が高い、メリットが見出せないなどの意見が複数のグループから出た。
同分科会では、非会員の状況を把握すると共に、会員になるとどういうメリットがあるのか、などを分かりやすく示した入会案内を各県のホームページに掲載することなどを確認した。
また、分科会を取りまとめた山形県薬剤師会の齋藤由美子理事は、「日薬として将来のビジョンを強く打ち出すことも重要。それが根本にないと、若手薬剤師の意識も高まってこない」とした。