米ウルトラジェニクス社と契約締結
協和発酵キリン株式会社は9月4日、現在開発中の抗繊維芽細胞増殖因子23(Fibroblast Growth Factor 23、以下FGF23)完全ヒト抗体、KRN23の開発と販売について、米国ウルトラジェニクス・ファーマスーティカルとの協業とライセンス契約締結を発表した。
(画像はwikiメディアより引用)
ウルトラジェニクス社は、2010年に設立された希少代謝性遺伝疾患に特化した治療薬開発を進める非上場のバイオテクノロジー企業である。
両社は、米国、カナダ、ヨーロッパにおけるKRN23の開発と販売を協力して進め、開発費用は両社で負担し、ウルトラジェニクスが主導していく。米国、カナダでは両社の共同販売、ヨーロッパでは協和発酵キリンが同剤を販売するという。
抗FGF23抗体による遺伝性低リン血症性くる病の治療
FGF23は、主に骨組織でつくられる251アミノ酸からなるポリペプチド。腎臓の腎尿細管でのリンの再吸収を阻害する。低リン血症性くる病、腫瘍性骨軟化症、腎不全などの疾患における関与が示唆されている。
抗FGF完全ヒト抗体KRN23は、協和発酵キリンが創製した抗体医薬品。X染色体遺伝性低リン血症性くる病(XLH)で過剰に産生されるFGF23に結合し、その作用を抑制して尿細管でのリンの再吸収を増加させ、血中リン濃度を増加させるという。現在、米国とカナダで成人のXLHを対象としたPhase1/2の臨床試験が進行中である。
今後、協和発酵キリンは、希少遺伝疾患領域に強いウルトラジェニクスの新薬開発力を活用し、KRN23のグローバルな開発の加速と、その価値の最大化に取り組むとしている。(長澤 直)
▼外部リンク
協和発酵キリン株式会社 プレスリリース
http://www.kyowa-kirin.co.jp/