厚生労働省エイズ動向委員会が発表
2013年4~6月の3カ月間に新たに確認されたエイズ発症者が、四半期として過去最多の146人となったことが分かった。「API-Net エイズ予防情報ネット」を通じ、厚生労働省のエイズ動向委員会による報告書が公開されている。
新たにHIV感染が報告された患者数は、294人で過去2番目に多く、エイズ発症患者とHIV感染者を合わせた新規報告数は440件に上り、この数も過去最多となっている。
(画像はwikiメディアより引用 参考イメージ)
早期発見・治療のため、検査・相談の積極的な利用を呼びかける
新たに確認されたエイズ発症患者は、同性間性的接触によるものが87件、異性間性的接触によるものが32件、母子感染によるものはなく、静注薬物によるものが1件だった。年齢別では50歳以上の報告数が58件と、前回報告の30件や、前年同期における30件に比べ、著しい増加がみられたという。
この50歳以上の58件という数字は、新規発症者全体においても、約4割を占めるものであることから、中高年で発症が増えていることがうかがわれる。
新たにHIV感染が確認された未発症者は、同性間性的接触によるものが216件、異性間性的接触によるものが48件、母子感染によるものはなく、静注薬物によるものが1件だった。こちらは年齢別でみると、20~30代が多い。
検査および相談件数の概況では、保健所におけるHIV抗体検査件数が速報値で24,165件、自治体実施の検査件数が同じく速報値で7,142件、保健所等における相談件数が32,682件となっている。全体として数値は横ばいから減少傾向にある。
エイズ動向委員会では、早期に検査を受け、早期発見を進めていくことで、患者個人においては、発症の防止・早期治療が可能となり、また社会においては感染の拡大防止を図ることができるとし、HIV抗体検査や相談の機会を、より積極的に利用してほしいと呼びかけている。(紫音 裕)
▼外部リンク
API-Net エイズ予防情報ネット 平成25年第2四半期報告 エイズ動向委員会
http://api-net.jfap.or.jp/status/