内視鏡治療の新しいデバイス
岡山大学は食道がんの内視鏡治療用に「ムコゼクトーム2」という新しいデバイス(機器)の開発に成功したと発表した。
この研究は、岡山大学病院光学医療診療部の河原祥朗講師らのグループによるもので、従来のデバイスに比べ処置時間の短縮、偶発症(合併症)の軽減につながる結果が得られ、有用性も証明されたという。
(画像はプレスリリースより)
食道の内視鏡的粘膜下層剥離術の進歩に期待
内視鏡的粘膜下層剥離術(以下、ESD)は、胃がんに対する新しい内視鏡治療法として約10年前に日本で開発され広く普及してきた。
しかし、食道は管腔も狭く、胃に比べ壁が非常に薄いため、手術が長時間に及ぶこと、合併症の頻度が高いことなどが問題で、治療手技が難しいとされてきた。そのため、ごく一部の熟練した内視鏡医しか施行できないのが現状だ。
今回、新しく開発された「ムコゼクトーム2」を用いることで、従来の方法よりも短時間で安全に食道ESDが可能となると考えられる。今後、より多くの医療機関への普及が可能となり、食道がんに対するESDの発展に大きく貢献することが期待される。
この研究の成果は2013年7月24日、欧州消化器内視鏡学会誌『Endoscopy』電子版に先行掲載されており、9月号の本誌に掲載される予定だ。(小沢直哉)
▼外部リンク
岡山大学プレスリリース
http://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/