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内閣府、創薬分野で大臣賞3件―産学官連携の功労者表彰

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2013年08月21日 AM09:48


■フィンゴリモド創薬など

内閣府は19日、第11回産学官連携功労者の受賞者を発表した。科学技術政策担当大臣賞に田辺三菱製薬などの研究チームが取り組んだ「多発性硬化症治療薬フィンゴリモド」の開発、厚生労働大臣賞に東京工業大学・東京大学・アステラス製薬の研究チームが取り組んだ「顧みられない熱帯病感染症」創薬データベースの開発が選ばれた。

同表彰は、大学、公的研究機関、企業などにおける産学官連携活動で成果を収め、先導的な取り組みなどの活動推進に貢献をした成功事例に対し、その功績を称える目的で、2003年から行っており、今回で11回目となる。

今回、医薬品分野で多くの受賞があり、科学技術政策担当大臣賞には、田辺三菱製薬研究本部先端医療研究所の千葉健治所長、京都大学の藤多哲朗名誉教授、タイショーテクノスの佐々木重夫開発部長が「多発性硬化症治療薬フィンゴリモド」の開発で選ばれた。

フィンゴリモドは、田辺三菱製薬、京都大学薬学部の藤多名誉教授、三井製糖が共同で創製した新薬で、冬虫夏草から見出された免疫抑制活性を示す天然物を構造変換することにより、自己免疫疾患の多発性硬化症に高い有効性を示す。世界初の経口治療薬として開発され、日米欧を含む世界70カ国以上で使われており、多発性硬化症の治療に大きく貢献したことが評価された。

厚生労働大臣賞には、東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻の秋山泰教授、東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻の北潔教授とアステラス製薬の熱帯感染症研究チームが「顧みられない熱帯病感染症」の創薬研究データベースの開発で選ばれた。

秋山、北両教授とアステラスの研究チームが連携し、顧みられない熱帯病感染症の病原体に関する膨大な情報を統合した創薬研究向けデータベースを開発した。このデータベースは世界中の研究者に使われ、顧みられない熱帯病感染症の創薬研究活動を加速させた。緊密な連携で地球規模の課題解決に貢献した功績が高く評価された。

また、経済産業大臣賞には、東京大学の杉山雄一名誉教授、積水メディカルの福田睦社長、摂南大学薬学部の山下伸二教授が「マイクロドーズ(MD)臨床試験を活用した革新的創薬支援技術の開発・事業化」で選ばれた。

杉山名誉教授と山下教授は、臨床試験前に微量の候補化合物をヒトに投与し、薬物の体内動態を確認する「MD臨床試験」を活用した創薬基盤技術を世界に先がけて開発。積水メディカルがこの成果を活用し、医薬品開発のコストと時間の大幅削減につながるMD試験を今年事業化したことが評価された。

授賞式は29日、東京ビッグサイトで開催される「イノベーション・ジャパン2013」会場で行う。

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