デューク大学の調査チームが、1日カップ4杯のコーヒーや紅茶を飲むことで脂肪肝を軽減できるのではないかと指摘しました。共通点はもちろんカフェイン。このところ悪者扱いされることが多かったカフェインですが、ここへ来て名誉挽回の一報です。
(画像はイメージです。 Paul / Freedigitalphotos.net)
統計では、糖尿病と肥満を抱えている人の7割が脂肪肝の状態にあるとされています。これは、お酒の飲み過ぎによる脂肪肝とはまた別のもので、これまで食事制限と運動以外に改善策がないとされてきました。アメリカでは大人の10人に3人があてはまるだけに事態は深刻です。
今回の調査では、高脂肪の餌を食べているラットにカフェインを与えると、肝臓の細胞の中の脂肪の代謝が活性化されるので、脂肪肝が軽減できることが分かりました。計算上では、この効果を示すカフェインの量は、1日カップ4杯程度のコーヒーにあてはまるそうです。
カフェインには、脳を目覚めさせる効果があるので、眠気覚ましにコーヒーや紅茶を飲む人も多いものです。これは一つのメリットでしょう。また、カフェインを含んでいるコーヒーやお茶には、ポリフェノールが含まれることが多く、抗酸化作用があるともされていることも、厳密にはカフェインそのものではありませんが、カフェインを含む飲み物のメリットと考えることができるでしょう。
一方で、利尿作用が強くて脱水症状を起こしたり、刺激が強く胃が痛くなるというデメリットも挙げられています。
確かに、このところは、悪者になることが多かったカフェインですが、身体へ及ぼすデメリットを抑えて、脂肪肝への効果を保つような医薬品開発ができるのではないかと期待されます。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Caffeine stimulates hepatic lipid metabolism via autophagy-lysosomal pathway
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/
Wikipedia カフェイン
http://ja.wikipedia.org/wiki/カフェイン