スイス医薬品局から承認を取得
大日本住友製薬株式会社と武田薬品工業株式会社は、非定型抗精神病薬ルラシドン塩酸塩を、統合失調症を適応症としてスイス医薬品局から承認を取得したと発表した。
今回のルラシドンの承認取得は、欧州において初となる。世界保健機関(WHO)によると、統合失調症は、世界で15〜35歳を主に、人口1,000人のうち7人がかかっており、総患者数は約2400万人。大日本住友製薬と武田薬品は、今後、より多くの統合失調症の患者に対してアンメット・メディカル・ニーズを満たすことができると期待している。
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販売地域の拡大を目指す
ルラシドンは大日本住友製薬が創薬した非定型抗精神病薬で、米国FDA(食品医薬品局)から統合失調症と双極I型障害うつに対する承認を取得しており、米国子会社であるサノビオン社が「LATUDA(R)」という名称で販売している。大日本住友製薬と武田薬品は、英国以外のEU加盟国(2011年時点)26カ国とスイス、ノルウェー、トルコ、ロシアを対象として、共同開発と武田薬品の独占的販売契約を提携している。
スイスでの販売許可申請には、米国FDAやカナダ保険省の申請に使用したデータを用いて2012年3月に申請。その他の欧州の地域では欧州医薬品庁により販売許可申請が受理され、現在審査中だ。また、日本国内では、統合失調症に対する承認取得を目指し、第III相臨床試験を実施。双極I型障害うつについても第III相臨床試験を準備中とのこと。
大日本住友製薬では、第三期中期経営計画でルラシドンをグローバル戦略品としており、販売地域の拡大を目指す。また武田薬品も中期成長戦略において、ルラシドンを欧州市場においての重要な製品になると考えている。(福田絵美子)
▼外部リンク
大日本住友製薬 ニュースリリース
http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=524