医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > テクノロジー > 兵庫医科大 アトピー性皮膚炎病態を再現

兵庫医科大 アトピー性皮膚炎病態を再現

読了時間:約 52秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年08月11日 PM02:13

IL-33により

兵庫医科大学は8月6日、遺伝子改変マウスを用いアトピー性皮膚炎の特徴を再現することに成功したと発表した。

(この画像はイメージです)

研究グループは皮膚におけるインターロイキン33(IL-33)の役割を調べるために、IL-33遺伝子を発現する遺伝子改変マウスを作製した。

その結果、この遺伝子改変マウスの皮膚のIL-33発現は10倍に増加し、6~8週齢以降には顔面や頸部、耳介、足背、尾部などの外部から刺激を受けやすい部位にとくに激しい痒みを伴うアトピー性皮膚炎の自然発症が認められた。

また表皮の肥厚や真皮内の炎症細胞浸潤、肥満細胞の増加、ケモカインの増加が認められ、血中IgE値・ヒスタミン濃度も高い値を示した。

今後の課題

研究チームはこの研究結果から皮膚で増加したIL-33が肥満細胞を活性化するとともにアトピー皮膚炎を発症するという新しいメカニズムを提唱するに至っている。

発表記事では今後の課題として

IL-33の産生と細胞外への遊離・活性化機構、これを制御する調節分子の解明、2型自然リンパ球の誘導・制御機構の研究を通じて、アトピー性皮膚炎の克服に向けた新しい研究の進展が期待されます。(兵庫医科大学発表記事より引用)

と述べている。(小林 周)

▼外部リンク

兵庫医科大学 発表記事
http://www.hyo-med.ac.jp/research_facilities/output/20130806

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 テクノロジー

  • モバイル筋肉専用超音波測定装置を開発、CTのように広範囲描出可能-長寿研ほか
  • ヒトがアンドロイドの「心」を読み取り、動きにつられることを発見-理研
  • 生活習慣病の遺伝的リスクと予防効果の関係、PRS×AIで評価-京大ほか
  • 精神的フレイル予防・回復支援「脳トレシステム」開発-愛知産業大ほか
  • ChatGPTと放射線科医、骨軟部放射線領域の診断精度を比較-大阪公立大ほか