妊娠すると、検診の時などに「出産予定日」が知らされることは、皆さんご存じですね。
(画像 ddpavumba / Freedigitalphotos.net)
そして、多くの赤ちゃんが、予定日ぴったりには生まれてこないことも、ご存じだと思います。では、実際のところ、どのくらいの幅があるのでしょうか。新しく発表された研究で、5週間程度の「幅」があるとされました。
出産予定日は、最終の生理がはじまった日から280日後とされます。けれども、この日ぴったりに出産する女性はわずか4%。妊娠中に、超音波検査によって予定日の修正をする産婦人科の先生もいますが、それでも予定日の前後10日で出産する女性は7割程度です。
今回発表された研究は、世界初の試みとして女性の排卵日と、受精卵が着床した日をホルモンのレベルから明らかにした上で、6件の早産を含む、125人の妊婦さんの出産日を分析しました。
その結果、平均では排卵から268日後となったそうです。最終月経の開始から、排卵は14日が目安とされているので、これまでの計算と、さほど大きな変わりはありません。けれども、実際には、早産のケースをのぞいても、排卵日から出産日までの日数は最大37日の差があったのです。週数にして、5週の違いになります。
また、排卵日が遅れたり、着床までに時間がかかったりすることも、妊娠期間が予定と異なってくる要素になるそうです。
これ以外にも、過去に確認されていることでは、女性が1歳年をとるごとに、妊娠期間が約1日延びる、また妊婦さん自身の生まれたときの体重が100グラム大きくなると、その人の妊娠期間が約1日延びるなどの報告がありました。
予定日はあくまでも予定。命の神秘は、まだまだ現代の科学でも測りきれないところがあるのですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Length of human pregnancies can vary naturally by as much as five weeks
http://www.alphagalileo.org/