医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > テクノロジー > 京都大学 先天性無巨核球性血小板減少症病態を再現

京都大学 先天性無巨核球性血小板減少症病態を再現

読了時間:約 47秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年08月10日 PM02:13

マウス研究では再現できず

京都大学は8月2日、iPS細胞技術を用いて先天性無巨核球性血小板減少症患者の病態を再現することに成功したと発表した。生体外で血液の細胞へ分化させ解析した結果、ヒトでは多機能性造血前駆細胞の維持や血小板・赤血球の産生にトロンボポイエチン受容体が必須であることが明らかになった。

(この画像はイメージです)

先天性無巨核球性血小板減少症の病態解明については、これまでトロンボポイエチン受容体を欠損させたマウスを作製することで研究が行われてきた。しかしトロンボポイエチン受容体を欠いたマウスでも血小板現象は認められるものの赤血球を低下させるまでには至らず、病態を再現することはできなかった。

貧血治療にも

今回の研究成果について発表記事では

iPS細胞技術を用いることで、疾患の病態解析だけでなく、血球がどのようにして産生されるのかというメカニズムを探ることができます。今回の成果は、これまで、血小板数の増加に用いられていたトロンボポイエチン様の薬剤が貧血改善にも役立つ可能性があることを示唆しています。(京都大学発表記事より引用)

と述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

京都大学発表記事
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2013/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 テクノロジー

  • ヒトがアンドロイドの「心」を読み取り、動きにつられることを発見-理研
  • 生活習慣病の遺伝的リスクと予防効果の関係、PRS×AIで評価-京大ほか
  • 精神的フレイル予防・回復支援「脳トレシステム」開発-愛知産業大ほか
  • ChatGPTと放射線科医、骨軟部放射線領域の診断精度を比較-大阪公立大ほか
  • 胸部X線写真で肺機能を高精度に推定可能なAIモデル開発-大阪公立大