マウス研究では再現できず
京都大学は8月2日、iPS細胞技術を用いて先天性無巨核球性血小板減少症患者の病態を再現することに成功したと発表した。生体外で血液の細胞へ分化させ解析した結果、ヒトでは多機能性造血前駆細胞の維持や血小板・赤血球の産生にトロンボポイエチン受容体が必須であることが明らかになった。
(この画像はイメージです)
先天性無巨核球性血小板減少症の病態解明については、これまでトロンボポイエチン受容体を欠損させたマウスを作製することで研究が行われてきた。しかしトロンボポイエチン受容体を欠いたマウスでも血小板現象は認められるものの赤血球を低下させるまでには至らず、病態を再現することはできなかった。
貧血治療にも
今回の研究成果について発表記事では
iPS細胞技術を用いることで、疾患の病態解析だけでなく、血球がどのようにして産生されるのかというメカニズムを探ることができます。今回の成果は、これまで、血小板数の増加に用いられていたトロンボポイエチン様の薬剤が貧血改善にも役立つ可能性があることを示唆しています。(京都大学発表記事より引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
京都大学発表記事
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2013/