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健康保険組合連合会、薬価差の設定、検討の余地―後発品の医療費適正化研究

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2013年08月07日 AM09:48

健康保険組合連合会は、英国、仏国での後発品使用促進の取り組み事例などを調査した結果をもとに、国内の使用促進策の課題を整理した報告書をまとめた。両国とも、(マージン)の設定方法を工夫し、後発品を使用するほど薬価差が小さくなり、薬局の収益低下につながる状況の緩和に取り組んでおり、国内でもさらなる使用促進に向け、マージンをどう設定するか「検討の余地がある」との方向性を示している。

健保連がまとめた報告書は「後発医薬品による医療費適正化に関する調査研究」。国内の後発品使用促進策を検討する際の基礎資料にすることを目的に、英、仏の▽後発品使用促進のための政策手法▽薬剤支出等の医療費適正化の効果▽現状の課題・問題点等――を文献などで調査した。

その結果によると、薬局に対する後発品使用促進のインセンティブとして、英では先発品よりも後発品の方が薬局の薬価差(マージン)が高くなる薬価の設定方法を採用。仏は、低価格の医薬品ほど高いマージン率を設定し、後発品の販売が増えることによる薬局の収益低下の影響を緩和する措置がとられていた。

報告書では、国内の薬局は医薬品という「モノ」の販売・仕入れに関わる部分の収益の考え方が経営上必要となるため、技術料として後発品調剤のインセンティブを設けることも効果的だが、一方で「モノ」の在庫管理という点でマージンをどのように設定するかということも検討の余地があると思われると提言。

また、先発品(長期収載品)と後発品との薬価差が妥当かといった点も合わせて検討していく必要があるとしている。

これまでの診療報酬改定で、政策誘導として設けられてきた種々の加算については、医療機関、薬局のインセンティブとして有効に機能するものだが、患者から見れば一定の負担増につながることにもなると指摘。

今後は、後発品への変更に伴う総体的な費用対効果の観点や医療提供サイドの本来業務としての責務の視点なども踏まえ、これまでの加算の継続の可否を検討していくことが求められるとしている。

 

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