ファイザーと武田薬品工業のコ・プロモーション
ファイザー株式会社(東京都渋谷区)と武田薬品工業株式会社(大阪市中央区)は、7月30日、経口関節リウマチ治療薬「ゼルヤンツ(R)錠 5mg」(一般名:トファシチニブクエン酸塩)の新発売を発表した。
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今年3月に厚生労働省から「既存治療で効果不十分な成人の関節リウマチ治療薬」として承認を取得していた。2社はエンブレル(関節リウマチ治療薬、一般名:エタネルセプト)と同様、コ・プロモーション体制で販売する。
新規リウマチ治療薬としてのJAK阻害剤
ゼルヤンツはJAK(ヤスヌキナーゼ)阻害剤と呼ばれる新しい薬剤。細胞外でサイトカインを標的とする生物学的製剤と異なり、細胞内シグナル伝達の一部JAKパスウェイを阻害することで、関節リウマチにおける炎症を停止させる。臨床試験においても高い効果が認められている。
適正使用を推進
ゼルヤンツは、過去の治療でメトトキサレートをはじめとする抗リウマチ薬(DMARD)などによる適切な治療を行っても、疾病に起因する明らかな症状が残る場合に使用。通常1回5mgを1日2回経口投与する。日本リウマチ学会のトファシチニブ使用ガイドラインに則った適正使用が原則。市販後全例調査を実施し、適正使用を同社らが推進する。
自己免疫疾患である関節リウマチは根治治療法がなく、身体障害を伴う深刻な疾患だ。既存治療薬では十分な効果が得られない患者も多く、新たな治療の選択肢が求められている。ゼルヤンツはこれまでと異なる作用機序の治療薬であるが、使用全例について調査を継続するとしており、安全性や有効性についての臨床現場のエビデンス蓄積に期待したい。(長澤 直)
▼外部リンク
ファイザー株式会社プレスリリース
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/