糖尿病治療剤の中国においての輸入販売許可を取得
武田薬品工業株式会社と子会社である武田投資有限公司は、2型糖尿病治療剤NESINA(一般名:アログリプチン)について、中国国家食品薬品監督管理局から、輸入販売許可を取得した。
中国では急激な経済成長と食習慣の変化によって、2型糖尿病の発症リスクが増大。現在、中国の糖尿病患者数は92.3百万人と、世界各国で最も多い国の一つである。また今後も2030年までに、37.4百万人が発症すると予測されている。
そのため武田薬品工業株式会社は、早急に中国に糖尿病の治療薬を広めるために、2013年4月に Sanofi China社とNESINAのコ・プロモーション契約を締結した。
アログリプチンは2010年に日本での承認を取得、「ネシーナ錠」として販売されている。また米国では、2013年1月に「NESINA」、「KAZANO」、「OSENI」の3剤が承認を取得し、同年6月より販売されている。
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アログリプチンの臨床試験を実施
武田カリフォルニアInc.が作った選択的ジペプチジルペプチダーゼ-4の阻害薬のアログリプチンは、血糖を調節するための重要な役割であるグルカゴン様ペプチド-1と、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドの不活化を遅くすることができる2型糖尿病治療薬だ。
臨床試験プログラムには、13,000人以上の患者が参加。本年6月に開催された米国糖尿病学会でも、2つの臨床試験結果が発表されている。1つ目は、2年間アログリプチンとSU剤であるグリピジドのメトホルミン併用時においての、血糖低下作用の持続性と安全性を比較した試験。
そしてもう一つが中国、台湾、香港などのアジア圏を対象とした、臨床試験である。この試験によって、他の糖尿病治療薬と変わらない安全性であると証明された。(福田絵美子)
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