突然ですが、私は女性にしては背が高い方なので、小柄でかわいらしい女性に常に憧れていました。
今回、また小柄な女性をウラヤマシイ!と思ってしまう調査報告を見つけてしまいました。それは、小柄な女性の方ががんのリスクが少ない、というものです。早速詳しく見てみましょう。
調査は、1993年から1998年の間に50歳から79歳だった、144,701人の閉経後の女性を対象に行われました。対象となった女性は、運動習慣、身長、体重、教育背景、飲酒・喫煙習慣、調査時点までにかかった病気や、受けたことのある治療などについての質問に回答しました。身長と、がんにかかるリスクを調査したところ、女性特有のがんをはじめ、腸、腎臓、甲状腺、皮膚、ホルモン関係など様々ながんにかかるリスクは、身長が低い人の方が低かったそうなのです。
12年間の追跡調査の間に、なんらかのがんの診断をうけていた人は144,701人のうち、20,928人でした。この人たちの身長と、がんにかかっていなかった人の身長を分析した結果、身長が10センチ高くなるごとに、黒色腫、乳がん、卵巣、子宮内膜、大腸のがんにかかるリスクが13~17%、腎臓、直腸、甲状腺、血液のがんに至ってはなんと23~29%も高くなることが分かったのです。
これまで、がんと体型の問題も関連があるとされていて、BMIと結びつける調査も多く見られましたが、関連性としてはBMIとがんよりも、身長とがんのほうが、強かったそうです。
専門家は、こうした結果が出た一つの原因として、身長に関する遺伝の要素を推測していますが、まだまだ未知の部分が多いそう。
身長は、自分の意志でどうにかなるものではありません。がんの予防には、禁煙や節酒、運動など、自分の努力で効果を上げられることがたくさんありますので、背が高い人もこの結果にガッカリせず、健康的な生活を送るように心がけましょう。背が高い人には高い人の、小柄な人には小柄な人のメリットがあるのですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Adult Stature and Risk of Cancer at Different Anatomic Sites in a Cohort of Postmenopausal Women
http://cebp.aacrjournals.org/content/