新しい免疫疾患医療を
慶應義塾大学病院は免疫統括医療センター「免疫疾患専門医チーム初診外来」を8月2日に新設した。診療科の枠を超えた包括的な免疫疾患医療を開始する。
慢性の免疫疾患(関節リウマチ、膠原病、皮膚免疫疾患、炎症性腸疾患など)で診療科を横断する複数の症状をもつ患者を対象に、複数の診療科の専門医がチームを編成して複合的な診療をする試みは世界初。新しい診療モデルとして期待される。
慢性の免疫疾患は全身性の免疫異常があるため、関節、皮膚、眼、消化管などの複数の臓器にまたがる症状に苦しむ患者が少なからずいる。これらの疾患は先進国において増加し、日本も例外ではない。診療科横断的な複数の臓器症状をもつ患者に対して、これまで各診療科が別々に診療にあたっていたが、個々の症状に合わせた包括的な先進医療の提供が求められている。
チーム初診外来で
慶應大学病院は2010年に生物学的製剤治療を専門とする免疫統括医療センターを開設、今回同センター内にこの初診外来を新設した。リウマチ内科、皮膚科、消化器内科、整形外科などの各科専門医が初診外来に同時に集い、生物学的製剤で治療する複数の症状をもつ免疫疾患の患者に合わせた医療を提供する。診断・治療方針のプロセスが包括的に決定されるチーム医療を目指す。
具体的には、予約時に医療機関から提供された「診療情報提供書」に基づき、患者の症状に合わせた包括的専門医チームを編成する。リウマチ内科、皮膚科など各科の専門医による複合的な診察を経た後、免疫統括医療センター症例カンファレンスで関連する複数の診療科の医師が症例検討会議を行う。以降は各診療科での継続診療に移行し、チーム医療体制を構築する。
患者にとっては受診しやすく負担の少ない、またかかりつけ医には紹介しやすい外来環境を提供していく。(馬野鈴草)
▼外部リンク
慶應義塾大学プレスリリース
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