赤ちゃんの脳の発達に働きかける母乳育児
母乳育児には様々なメリットがあり、世界中で推進運動が起こっていることはご存じの方も多いでしょう。今回、カナダから寄せられた報告で、これまで報告されていなかった母乳育児の新たなメリットが明らかになりました。
ハーバード大学の調査チームは、1999年から2002年の間に、1312人の赤ちゃんの母乳育児の状況を調査し、この赤ちゃんたちが、3歳になったときに視覚と運動についての発達を調べるWide Range Assessment of Visual Motor Abilities(WRAVMA)と、語彙能力を測定するPeabody Picture Vocabulary テスト、7歳になったときにWRAVMAと知能を測定するKaufman Brief Intelligence テストを行いました。
1歳になるまでは母乳を推奨
すると、WRAVMAの結果では、母乳を飲んでいた期間との関係はみられませんでしたが、最短でも1歳になるまで母乳を飲んでいた赤ちゃんでは、3歳の時の語彙能力を測るテストと、7歳の時の知能を測定するテストの成績が良くなることが分かったのです。このことから、母乳育児は、言葉の機能の発達にも、知能の発達にもプラスに働くことが確認されました。
7月29日に発表されたこの研究成果は、母乳育児のメリットとして、早くも海外メディアでも、取りあげられはじめており、1歳になるまでは母乳育児をすすめる声があがっています。母乳育児運動に更に勢いがつきそうです。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Infant Feeding and Childhood Cognition at Ages 3 and 7 Years
http://archpedi.jamanetwork.com/