■志願者数10万人超える
薬系大学の人気が急速に回復したようだ。今年度の私立薬系大学の入学志願者数が、昨年度より2万人以上多い10万3584人と10万人台となり、募集人数(定員)に対する倍率も志願段階で9・1倍と、昨年度の6・8倍を大きく上回った。日本私立薬科大学協会がまとめた2013年度入学志願者数調査で明らかになった。昨年度も約6000人増加しており、これで3年連続増となった。受験生の“薬学離れ”は底を打ち、“薬学人気”へと移行したようだ。
今年度の薬科大学(薬学部)の入学者数は1万3663人(北大、東大除く)と定員を上回り、“定員割れ”が前年度の19校から11校へと半減したことは本紙調査(5月15日号)の通りだが、その背景には志願者数が大幅に増加したことが同調査から明らかになった。同調査は、協会加盟の57校(徳島文理大香川薬学部含む)を対象に行われた。
今年の定員数は1万1424人と昨年度の1万1459人より若干減少。また、募集数は一般が7129人、推薦が4216人の計1万1345人(プラス若干名)で、昨年度の1万1450人(プラス若干名)より100人ほど減少した。
志願者数は一般8万9886人、推薦1万3658人で、総数では昨年度の8万2242人を2万1342人上回る大幅な増加(26%増)となった。
この結果、志願者段階の入試倍率は一般で12・6倍、推薦で3・2倍、全体では9・13倍となった。なお、定員1万1424人に対する総志願者数は9・07倍だった。昨年度の募集数に対する志願者数は6・8倍で、倍率も大きく伸びた。
このうち6年制について見ると、一般6702人の募集に対し志願者数が8万4536人で12・6倍、推薦は4048人に対し1万3321人で3・3倍、総数では9・1倍になった。なお、6年制定員(1万0829人)に対する倍率は9・0倍となった。
総募集数に対する志願者数は、全校平均では大幅に増加したものの、昨年度と同様に大学間での志願者数、倍率ともにバラツキは大きかった。平均倍率を超え、かつ二桁に達したのは21校となった。逆に平均倍率を大きく下回り、かつ3倍未満だったのは9校あった。このうち3校が2倍を下回った。
最も倍率が高かったのは、昨年度に続き常連の近畿大で34・5倍(昨年度25・5倍)、次いで武蔵野大が大きく躍進し26・4倍(15・7倍)、立命館大24・3倍(22・4倍)、東京理大20・3倍(21・0倍)と続く。そのほか10倍以上の大学は帝京大16・1倍、星薬大15・6倍、福岡大15・5倍、摂南大14・6倍、慶應大14・0倍、神戸学院大13・4倍、明治薬大13・2倍、同志社女子大12・1倍などのほか、帝京平成大が12・0倍と前年度の4・6倍から大幅に倍率を伸ばした。
なお、4年制については平均9・6倍だったが、このうち近畿大が30人の募集枠に対し25・6倍、慶應大が20人の募集に対し23・4倍と高い人気を集めるなど大学により極端な差が見られた。
表:2013年度私立薬系大学の志願状況