新有効成分アビラテロン酢酸エステル
ヤンセンファーマ株式会社(東京都千代田区)は、7月26日、前立腺がん治療薬「アビラテロン酢酸エステル」の製造販売承認を申請したと発表した。
(画像はwikiメディアより引用)
去勢抵抗性前立腺がんに対する治療薬
アビラテロン酢酸エステルは、ヤンセンが開発している新規有効成分で、2013年6月現在、欧米をはじめ世界77ヵ国ですでに承認されている。特に治療ニーズの高い去勢抵抗性前立腺がんに対する治療薬である。
増加する前立腺がん
欧米で多い前立腺がんは、高齢化や食嗜好の欧米化に伴い、日本国内でも増加傾向にある。2020年には、2000年時の罹患数の3.4倍以上になると予測され、死亡者数も2009年の10,036人から2020年には21,062人の予測となっている。
去勢抵抗性前立腺がん治療に選択肢
前立腺がんは外科的あるいは内科的にアンドロゲンを除去する内分泌療法(ホルモン療法)が行われる。アンドロゲン除去療法による去勢状態でも病勢の進行や再発が見られる去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の治療には抗がん剤が用いられるが、効果に個人差があり、現在のところ選択肢が少ない。
ヤンセンは、がん領域を注力領域の一つとしてそのパイプライン強化を図るとしており、とくに前立腺がんに重点をおいている。今回の承認申請につづき、今後も前立腺がん治療に向けたポートフォリオを拡充するとしている。増加する前立腺がんに対し、有効な選択肢が増えることに期待したい。(長澤 直)
▼外部リンク
ヤンセンファーマ株式会社プレスリリース
http://www.janssen.co.jp/