■PMDA調査
院外処方箋に病名や検査値を記載している病院は全国に34施設以上存在することが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の調査で明らかになった。このほど金沢市で開かれた医療薬学フォーラムで調査結果の要点が発表された。
病院における医薬品の安全性情報の管理状況を把握することを目的に今年1~2月、全国の8536病院を対象に調査を実施。4556施設から回答があった(回収率53・4%)
病院と薬局の薬薬連携について聞いたところ、34施設が「処方箋に検査値や病名などを記入」、107施設が「お薬手帳に検査値や病名などを記入」、96施設が「カルテ情報の共有」を実施していると回答した。
PMDAは「一部の施設では、カルテ情報の共有や、処方箋・お薬手帳への検査値・疾患名等の記載がなされており、個人情報に留意の上で、こうした取り組みの普及が期待される」としている。
一般的に、薬局薬剤師は、院外処方箋を持参した患者の病名や検査値を自動的に知ることはできない。処方情報をもとに患者の病名を推察したり、病名や検査値を患者から聞き取ったりしているが、精度に問題があるほか、全ての患者には実行しづらいのが課題。
現時点ではその数はまだ少ないものの今後、院外処方箋に病名や検査値を記載する病院が増えれば、患者の腎機能に応じた薬の減量を医師に提案したり、患者の問題点を抽出して課題解決につなげたりするなど、薬局薬剤師は様々な役割を発揮しやすくなる。