手足口病
手足口病とは、手のひら、足の裏及び口腔内に特有の水疱性発疹ができる夏かぜの一種である。原因は主に腸管ウイルスであるコクサッキーA群16とその変異型及びエンテロウイルス71である。まれにコクサッキーA群5、7、8、10、コクサッキーB群2と3、エコーウイルスの感染によるものもあり、原因ウイルスが数種類あるので、複数回かかる場合もある。感染経路は咽頭分泌物に含まれるウイルスの飛沫感染か、便中に排泄されたウイルスの経口感染である。
最もかかりやすい年齢は1~5歳、成人にも感染することもある。潜伏期は3~4日くらいで、全経過は1週間程度となる。乳児は特に臀部、膝、肘に発疹がよくみられる。口腔内の発疹は口唇の内側、頬の内側、舌、軟口蓋にでき、潰瘍になり疼痛を伴う。このため食べられなくなり、脱水症になることもあるので注意が必要である。エンテロウイルス71の感染では中枢神経症状を、コクサッキーA16型ウイルスの感染では心筋炎を合併する頻度が比較的高い。
(画像はウィキメディア)
川崎市で流行の兆し
神奈川県川崎市では、手足口病の報告数が増加していると発表した。7月8日~14日に流行発生警報基準値を超えたとのことである。
同市では、外から帰った後、食事の前、トイレの後などの手洗い・うがいを徹底すること、タオルの共用禁止、罹患した場合は、高熱、頭痛、嘔吐などの症状があれば、すぐに医療機関に受診すること、発疹が消えても引き続き、手洗いを徹底し、タオルの共用を避けることなど、注意喚起を行っている。(堤朝子)
▼外部リンク
川崎市役所 感染症発生状況2013年7月19日
http://www.city.kawasaki.jp/350/page/