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がん意識・実態調査で医師と患者のコミュニケーション不足が深刻な結果に

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2013年07月30日 PM07:13

がん治療への理解が浸透していない結果に

2013年7月26日、日本イーライリリー株式会社は、がん意識・実態調査結果を発表した。

がん治療薬開発期間及び開発投資額の認識と実態が剥離。がん治療への理解が浸透していない結果となっている。また、新治療法開発に必須の臨床試験に関する情報が患者に十分に伝わっていない可能性が明らかになった。

患者は治療選択肢を求めている。治療選択肢や各治療法の詳細については非常に重要な情報であり、十分に患者に伝える必要性が浮き彫りになっている。新薬開発スピードアップへの課題もある。

(この画像はイメージです)

調査概要

【調査目的】
がん治療への理解を深め、患者に最適ながん治療をより迅速に提供すること。プロジェクト「PACE」(Patient Access to Cancer care Excellence)の一環。

【調査国】
日本
アメリカ
イギリス
フランス
ドイツ
イタリア

【調査対象】
がん患者
がん患者の家族・友人など介助者
一般人

日本だけがん治療への満足度「どちらでもない」多い結果に

過去20年間のがん治療への取り組みについて、日本以外の5か国の一般人約6割が「非常に満足」または「満足」と回答した。日本は「非常に満足」または「満足」が低くほぼ3割。「どちらでもない」が高く約5割となっている。

日本以外では半数以上に満足されている結果となっているが「どちらでもない」が多いのには、実際に問題があるというよりは、物事をはっきりと明言せず曖昧にしておく傾向が強い日本人の国民性を感じる。

新薬開発6割が「時間がかかりすぎている」

各国の一般人6割以上が、がん新薬の開発に「時間がかかりすぎている」と感じていて、日本の5割以上、アメリカの3割以上、ヨーロッパ各国の4割以上が開発期間は9年以下と回答。各国とも一般の方の6割以上が新薬の開発費用を実際よりも少なく考えている。

患者の多くは命がかかっていて一刻も早い治療を望んでいる。「時間がかかりすぎる」と感じるのも当然だろう。納得してもらえるよう、医療現場の現状と今できる最善を説明する必要があるのではないだろうか。

個別化治療「聞いたことがない」

各国のがん患者と介助者の多くが、がんの「個別化治療」を聞いたことがないと回答していて、6割以上が新しい治療法の選択について患者に対し十分な情報がないと感じている。

問題はそれだけではない。約8割ものがん患者が、がん治療の臨床試験に参加したことがない。多くは臨床試験の参加について医師と話し合ったこともない状況だ。一方で、5割以上のがん患者と介助者は、臨床試験の重要性について理解を示している。機会があると知れば治療選択肢として受け入れたいはずだ。

医師と患者のコミュニケーション不足が心配される結果となっている。医療の現状と患者に与えられた選択肢をしっかりと理解してもらう必要がある。(貝塚 久美子)

▼外部リンク

日本イーライリリー株式会社
https://www.lilly.co.jp/

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