夏本番になりました。太陽も元気いっぱいで、海や山などアウトドアで休暇を過ごす人も多いでしょう。
とはいえ、気になるのが紫外線。紫外線が皮膚に及ぼす影響については、皮膚がんをはじめとして一般の人たちの知識にも定着していますが、未だに見過ごされているのが目への害です。
世界保健機構(WHO)のガイドラインでは、サングラスや眼鏡は大きめでサイドもしっかり覆うのものを利用し、レンズの外側や上下からの紫外線の侵入を防ぐことも大切だとされています。コンタクトレンズ利用の場合でも、紫外線防止機能があるレンズをつけるか、サングラスや度の入っていない紫外線プロテクションを組み合わせることがすすめられています。
日本語では「雪目」という言葉が使われてきたために、更に夏場の注意が怠られがちですが、雪目に対する英語のphotokeratitisは、紫外線による目の炎症を表わしますので、当然夏の間にもしっかりと注意を払わなければ行けないコンディションです。
眼鏡、コンタクトレンズ、そしてもちろんサングラスでも、眼科医の適切な処方によって、紫外線から目を守る機能を最大限に引き出すべきであるというのが、現状での専門家による受け止められ方です。
実際に、太陽の位置、地面からの光の反射、瞳孔の大きさなど、様々な条件の下に、どのくらいの量の紫外線が、雪目のリスクをもたらすかを分析したものがあります。
その結果、一定量を超えた紫外線を受けると炎症が起こることが分かりました。また、紫外線の影響は、横から入り込むもので強く出ることから、これまでも挙げられてきた全体をカバーするタイプのサングラスが予防に効果的であることが分かりました。
その上に衝撃的だったのは、暗い色のサングラスでは、瞳孔が開いてしまい、目の中に取り入れる紫外線の量が余計に増えてしまうリスクがあるそうです。このため、ただ単に色がついているだけではなく、きちんと紫外線防止効果があることを確認することが強くすすめられました。
おしゃれ小物としてのサングラスだと、つい紫外線防止効果の確認を怠りがちです。まだまだ猛威を奮う夏の紫外線、しっかりと備えて目の健康を守りましょう。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Intraocular and Crystalline Lens Protection From Ultraviolet Damage
http://journals.lww.com/claojournal/