乾癬とは
紅斑伴って、カサカサした薄皮(鱗屑)ができては剥がれていく慢性の皮膚病である。一種の免疫反応の異常により生じると考えられている。健康な状態では、表皮細胞はその一番外側に角質層をつくり、垢になって落ちていくことを一定の周期で繰り返すが、乾癬ではこの周期が極度に短縮(4~5日)しているため、皮がむけていく。この免疫異常は、遺伝的になりやすい素質と、ウイルスや細菌感染、化学物質、高脂肪食などが誘因となるが、感染性はない。
好発部位は、頭、肘頭、膝頭であるが、全身いずれの場所にも生じ得る。多くの場合、かゆみを伴う。乾癬の中でも重症度の高いものとして、全身が真っ赤になる乾癬性紅皮症、赤みの上に膿疱が多発する膿疱性乾癬、リウマチのような関節症状を伴う関節症性乾癬がある。
(画像はウィキメディア)
第3相臨床試験結果良好
ノバルティスは、乾癬に対する第3相臨床試験の結果を発表した。本試験は、1,307例の中等度又は重度の局面型乾癬患者を対象としたsecukinumab 皮下注射の無作為化、二重盲検、ダブルダミー、プラセボ対照、多施設、国際共同、プラセボ及びエタネルセプトとの比較試験で、12週間にわたる投与期間後の安全性、忍容性と52週までの長期有効性を検討することを目的とした。その結果、secukinumabが抗腫瘍壊死因子(anti-TNF)製剤であるエタネルセプトに対して優越性を示し、またsecukinumabがすべての主要評価項目及び副次評価項目を達成した。
また、本試験におけるsecukinumabの安全性プロファイルは、これまでに報告されている中等度又は重度の局面型乾癬を対象とした第2相臨床試験の結果と一致しており、新たな安全性上の懸念はなかった。(堤朝子)
▼外部リンク
ノバルティス ニュースリリース 2013年7月18日
http://www.novartis.co.jp/news/2013/