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日本製薬医学会が臨床研究の信頼性を回復するための緊急提言を発表

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2013年07月20日 AM09:13

日本製薬医学会が緊急提言を発表

日本製薬医学会は調査進行中の事象について公表する情報を注視ながらも事態の緊急性を考え、臨床研究において不正の防止と信頼回復をめざすために緊急提言を発表した。

「バルサルタン」の臨床研究についての論文を撤回するということから始まった問題では、製薬企業と医師との利益相反の疑いまでに発展している。そのため現在は厚生労働省と文部科学省が調査を行なっているのだが、この事件によって日本の臨床研究の信頼性が落ちてしまった。

そのため今後の臨床研究に対する社会的な信頼を回復し、その成果を世界に発信していくために、研究者、研究機関、製薬企業、学会、行政に対して、アクションをとることを提言した。背景としては、研究の品質に対する取り組みや、研究の支援体制、情報公開についての不備ということがある。

(この画像はイメージです)

臨床研究の信頼回復

従来ではフィランソロピーとしての研究支援による成果の評価については、科学者コミュニティと社会に委ねられてきた。しかし限られた財源や人的資源を配分することによって、患者の治癒と疾患の克服を生み出すことが期待されている。そのため開発と実用化を視野に入れた「研究」というのは、個人的に行われるものではなく、管理についても組織的な取り組みが必要とされている。

今回、医療業界や製薬業界、大学が失った信頼というのは、なかなか取り戻すことは難しい。そのためこれらの機関は本提言を真摯に受け入れ、組織的に再発防止のアクションを整えることが重要である。今後も日本の臨床研究が世界で評価されることを願う。(福田絵美子)

▼外部リンク


http://japhmed.jp/whats_new/post_77.html

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