かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン
厚生労働省は、7月12日に新たに、「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」を公表した。
このガイドラインでは、現時点で認知症を専門としていないかかりつけ医、もしくはプライマリケア医を対象として、認知症患者を受けた時に認知症に伴う行動や心理症状に対して行う、薬物療法などの進め方などを実践的に示したものである。
昨年行った、全国のかかりつけ医を対象とした向精神薬の使用実態についての調査においては、かかりつけ医が認知症患者に対して向精神薬を使用している頻度はある程度高いのだが、有効性があるかどうかはっきりしていないという症状であっても使用していたり、患者だけでなく家族など代諾者などの同意を得ることなく、処方していることが多いという実態が明らかとなった。
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薬物処方には本人や家族の同意が必要
今回発表されたかかりつけ医のためのガイドラインでは、認知症に伴う行動や心理症状への対応の原則として、まずは非薬物的に介入するというものがある。またその他にも認知症の心理症状に対する抗精神病薬の使用は適応外の使用であり、基本的には向精神薬を使用しないというような姿勢が必要であるとした。
非専門医によって安易に向精神薬を使用することを、けん制するものとなる。 また具体的には認知症患者に対して、まず身体的原因がないかということや、他の薬物が影響していないか、その他に環境などの要因によって生じたものではないかなどを検討すべきである。
これらのことを検討してなお効果が不十分であるという場合には、認知症疾患医療センターなどの専門的な医療機関と連携を取ることを推奨している。また向精神薬や抗精神病薬を処方する時には、患者や代諾者へ十分な説明を行ない、同意を得てから処方するようにと記載されている。(福田絵美子)
▼外部リンク
厚生労働省 「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/