パーキンを修飾、活性化
奈良県立医科大学は7月16日、パーキンソン病における細胞機能障害を防ぐメカニズムを解明したと発表した。この研究成果は京都大学・三重大学との共同研究によるもので、イギリスの科学雑誌「Scientific Reports」の電子版に掲載される。
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パーキンソン病は不要物質を分解するタンパク質パーキンの活性が低下することで神経細胞が不要物質により傷つけられ、発症するとされている。今回の研究では一酸化窒素(NO)がパーキンを修飾することにより活性化し、その結果として細胞機能障害を防いでいることを突き止めた。
しかしながら一方でNOは細胞機能障害を増悪させる働きも持っていることが証明された。今までのNOがパーキンソン病に与える影響についての研究でもプラスとマイナスの両方が生じていた。
今後の展望
今後の展望として発表記事は
NOがパーキンソン病の発症に関わっていることは昔から示唆されていましたが、そのメカニズムに関しては明らかではありませんでした。今回我々はそのメカニズムの一端を明らかにし、NOがパーキンソン病において発症を抑えるのと促進する両方に働いていることを解明しました。このNOの2つの作用は異なるメカニズムによっておこっており、NOの細胞保護に働く作用だけをおこす薬を開発できれば、新しいパーキンソン病治療薬になることが期待されます。(奈良県立医科大学発表記事より引用)
と述べている。(小林 周)
▼外部リンク
奈良県立医科大学 発表記事
http://www.naramed-u.ac.jp/pdf/news/2013/0716NO-mechanism