医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 奈良県立医科大 パーキンソン病と一酸化窒素の関係究明

奈良県立医科大 パーキンソン病と一酸化窒素の関係究明

読了時間:約 1分
2013年07月18日 PM02:43

パーキンを修飾、活性化

奈良県立医科大学は7月16日、パーキンソン病における細胞機能障害を防ぐメカニズムを解明したと発表した。この研究成果は京都大学・三重大学との共同研究によるもので、イギリスの科学雑誌「Scientific Reports」の電子版に掲載される。

(この画像はイメージです)

パーキンソン病は不要物質を分解するタンパク質パーキンの活性が低下することで神経細胞が不要物質により傷つけられ、発症するとされている。今回の研究では一酸化窒素(NO)がパーキンを修飾することにより活性化し、その結果として細胞機能障害を防いでいることを突き止めた。

しかしながら一方でNOは細胞機能障害を増悪させる働きも持っていることが証明された。今までのNOがパーキンソン病に与える影響についての研究でもプラスとマイナスの両方が生じていた。

今後の展望

今後の展望として発表記事は

NOがパーキンソン病の発症に関わっていることは昔から示唆されていましたが、そのメカニズムに関しては明らかではありませんでした。今回我々はそのメカニズムの一端を明らかにし、NOがパーキンソン病において発症を抑えるのと促進する両方に働いていることを解明しました。このNOの2つの作用は異なるメカニズムによっておこっており、NOの細胞保護に働く作用だけをおこす薬を開発できれば、新しいパーキンソン病治療薬になることが期待されます。(奈良県立医科大学発表記事より引用)

と述べている。(小林 周)

▼外部リンク

奈良県立医科大学 発表記事
http://www.naramed-u.ac.jp/pdf/news/2013/0716NO-mechanism

 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 自己免疫疾患に細胞治療の可能性、iTregの免疫抑制能を強化する方法を開発-阪大ほか
  • 機能する「移植用未成熟腎臓」作製の新手法開発、ラットで生命維持確認-慈恵医大ほか
  • 砂糖過剰摂取の脂質異常、原因腸内細菌特定でメタボ予防に期待-名大
  • 子宮頸がん検診の受診意向、アジア・パシフィック8か国・地域で日本が最低-ロシュ
  • 薬害スモンの原因物質キノホルム、ミトコンドリア毒性が判明-京都府医大ほか
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい