EUで適応承認を取得
ノバルティス ファーマ株式会社(東京都港区)の「ルセンティス(R)」(一般名:ラニビズマブ)は、病的近視に伴う脈絡膜新生血管(CNV)による視力障害に対する有効性を認められ、欧州委員会から追加適応が承認された。
(画像はwikiメディアより引用)
ノバルティス本社(スイス・バーゼル)から、現地時間7月5日に発表された。
抗VEGF-A抗体ルセンティス
「ルセンティス」は血管内皮細胞増殖因子-A(Vascular Endothelial Cell Growth Factor-A:VEGF-A)の生物活性を有するすべてのアイソフォームを阻害するように設計されたヒト化マウス抗ヒトVEGF-Aモノクローナル抗体Fab断片。ノバルティスと米ジェネンテック社で共同開発され、滲出型AMD(加齢黄斑変性症)治療薬として100ヵ国以上で承認されている。
加齢黄斑変性ほか視覚障害に効果
AMDのほか、糖尿病黄斑浮腫(DME)、網膜静脈閉塞症(RVO)、などの眼科疾患では、VEGF-A濃度の上昇が認められており、これらによる視覚障害に対する適応も90ヵ国で認められている。国内では滲出型AMD治療薬として販売されており、DME、RVO、病的近視に伴う脈絡膜新生血管の3原因による視覚障害に対する治療薬として、現在、承認申請中である。
欧州では4つ目の適応承認
今回の発表は、近視性脈絡膜新生血管(CNV)への治療薬としての適応が承認されたというもの。既に承認を得ているAMD、DME、RVOに加え、EUでは4つ目の適応となる。
ノバルティスは米国以外での独占権を所有、「ルセンティス」はジェネンテックの登録商標である。
ノバルティスは、眼科領域でのアンメットニーズに応える活動を支援している。人工の1〜3%の罹患率とされる病的近視とそれに伴うCNVは、放置すると5年後には約90%が重篤な視力喪失に至る。世界的な視力喪失の主原因となっているこの疾患に対して、「最初にして唯一の治療薬」であるルセンティスにより、近視性CNVの治療が一変できるものと期待される。(長澤 直)
▼外部リンク
ノバルティス ファーマ株式会社プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/