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2次性白血病の原因遺伝子を発見

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2013年07月18日 PM08:13

血液がんの遺伝子を解析

京都大学、名古屋大学などの共同研究チームは骨髄異形成症候群(MDS)から白血病に進行する際に遺伝子SETBP1の変異が関与することを明らかにした。

MDSは難治性の血液がんで急性骨髄性白血病へ移行する症例が多い。高齢者の罹患が増え、身体に負担が少ない骨髄移植以外の治療法が求められている。

がんは遺伝子変異でおこる病気と考えられ、MDSではRNAスプライシング因子の遺伝子変異が知られる。今回20症例の遺伝子解析を実施した結果、新たな遺伝子変異を多数発見し、白血病に近い進行した病型の「芽球増加を伴う不応性貧血」の2症例でSETBP1を検出した。

血液がん全体でのSETBP1変異の頻度を調べると、727症例で52症例(7.2%)に変異が生じ、2次性白血病では16.8%、慢性骨髄単球性白血病で14.5%、MDSから進行した2次性ではない急性骨髄性白血病で1%以下だった。SETBP1変異は2次性白血病に特徴的で、MDSの進行に関わっているといえる。

白血病へ移行するハイリスクを予測

SETBP1変異はMDS発症時には認められず、MDSが進行して白血病へ移行する過程で獲得されることもつきとめた。SETBP1変異がある症例はない症例に比べ生命予後が悪く、60歳未満の若い患者群に顕著だった。変異を有する症例に骨髄移植など積極的治療が必要と考えられる。

SETBP1変異が蓄積したSETBP1蛋白の過剰発現で白血病化すると推測し、マウスの造血幹細胞にSETBP1変異を発現させると造血幹細胞が不死化した。SETBP1の過剰発現は白血病化に関わることがわかった。

MDSから白血病への進行に関わるSETBP1変異をマーカーとすれば早期にMDSから白血病へ進行するハイリスクの患者を予測でき、また新たな創薬も期待できる。(馬野鈴草)

▼外部リンク

京都大学
http://www.kyoto-u.ac.jp/

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