日本薬剤師会は22日から1週間、無作為に抽出した全国の保険薬局5410施設を対象とした「2013年度全国薬局疑義照会調査」を実施する。薬局薬剤師が行っている疑義照会の実態状況等を把握し、薬学的疑義照会について医療経済学的な側面から、その有用性を評価することが目的。8月中には取りまとめ、秋以降の中央社会保険医療協議会での診療報酬改定に向けた基礎資料とする。
同調査は全国の薬局数の約1割に当たる5410薬局をランダムに抽出、賛同が得られた場合、所定のWebページ上で回答する方式を採用。
調査内容は、[1]薬局基本情報[2]疑義照会事例[3]患者からの相談内容[4]医師からの問い合わせ――など。このうち疑義照会事例は、疑義照会1件ずつの薬学的内容、疑義照会の結果と照会後の対応と成果について回答を求める。
■フジTVに抗議
また日薬は、6月中旬にフジテレビジョンの「とくダネ!」で放送された「医療の常識を疑え!院外の薬局増の裏側」の内容が、薬剤師の職能を十分に理解されないまま、一方的な取材で、視聴者に誤解を与えかねないとして、先月末までに同社に抗議文を送っていたが、今月8日付で同社から文書により「薬剤師の職能を本来的に否定する意図は全くない」との回答を得たとして、11日の定例会見で概略を公表した。
抗議文では、[1]薬剤師の業務は、処方箋どおりに薬を出すだけでなく、処方内容の鑑査、お薬手帳の確認・記載、患者が自ら購入している一般薬、サプリメント等との飲み合わせに問題がないかどうか等のチェックが含まれている[2]疑義照会は薬剤師法第24条に定められた薬剤師の義務で、それら業務の意義、疑義照会の有用性を無視した内容と考える――としている。
担当の生出泉太郎副会長は「予想どおりの優等生の回答だった。今回のことを機に、一度出向いて薬剤師の仕事について理解を深めてもらうよう対面で話したい」とコメントした。