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SARDS患者の死亡率の有意な低下を発表、アルジョハントレー

読了時間:約 58秒
2013年07月17日 PM12:13

死亡率の高い疾病

呼吸促迫症候群(ARDS)は、1967年に発表された論文に、胸部X線写真で、両側の肺に広範囲な陰影が認められ、重い呼吸不全におちいる病気の例が初めて報告された。外傷や感染症などの病気になったのをきっかけに発病し、もともと肺に異常がなく、重い呼吸不全がみられる、心臓に原因がないのに胸部X線写真で両肺に肺水腫がみられるなど心臓が悪くてうっ血性心不全になり、肺水腫になるという経緯をたどったものではないのが特徴である。

侵襲から発病までの期間はふつう3日以内である。治療が困難で、発病してしまうと死亡率が50~70%におよぶ。なかでも、敗血症があってARDSを伴った場合の予後は非常に悪く、死亡者の90%が発病して14日以内に死亡に至る。

(画像はウィキメディア)

統計的に有意な結果

アルジョハントレーは、重度ARDS()の患者466人が参加する多施設、前向き、無作為化、対照試験の結果、人工呼吸器を付けたSARDS患者グループのうち、少なくとも1日16時間にわたって腹臥位に置かれた患者は、仰臥位に置かれた患者と比べ、死亡率が28日後で50%、90日後に42%と有意に低下したと発表した。
ARDS患者を対象としたこれまでの臨床試験では、人工呼吸の際に腹臥位の状態を保つことの有効性及び死亡率の改善傾向が実証されていたものの、統計的有意性が得られた試験はなかったため、本試験は、画期的な結果となった。 (堤朝子)

▼外部リンク

QlifePro Press 2013年7月15日
https://www.qlifepro.com/press/

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