■機構経由、大学独自は前年度同様
2012年度の実務実習実態調査結果(私立薬科大学)がこのほどまとまった。病院実習費用は「35~40万円未満」、薬局実習では「27万5000円超~30万円未満」が多く、病院・薬局間で開きがある。また、北海道・東北~九州・山口までの6ブロック別でも実習費に開きがあることが分かった。私立57大学(学部)についてまとめ、全国薬科大学長・学部長会議で報告された。
12年度の実務実習実施施設数・受入学生数は、病院5470施設に対し9666人、薬局8838施設に対し9670人を受け入れた。これを調整機構経由(機構)と大学独自(独自)の契約とで分けると、病院実習は機構が3899施設に対し5810人と、施設数では71%、学生数では60%が機構となっていた。薬局実習については、機構が8529施設に対し9292人と、施設数は97%、学生数でも96%が機構での実習だった。
また、大学教員が実習期間中に施設訪問した回数は、病院、薬局ともに「3回」が多くそれぞれ38大学、39大学、次いで「2回」が13大学、12大学となっている。
実習費用については、病院実習9666人のうち、3947人が「35万円以上~40万円未満」で最も多く40・8%を占めた。次いで「27万5000円以下」が2287人(構成比は23・7%)、「30万円以上~35万円未満」(17・8%)、「27万5000円超~30万円未満」(11・2%)となっている。なお、機構と独自での別でもほぼ同様の傾向があった。
薬局実習では実習生9670人のうち「27万5000円超~30万円未満」が5981人(61・9%)、「27万5000円以下」が3687人(38・1%)となり、前年度と同じ傾向となった。ちなみに、実務実習初年度の11年度は「27万5000円以下」が7799人で90・8%とほとんどを占めていた。機構と独自では状況が異なり、独自の378人は全て「27万5000円以下」となっている。
これを全国6ブロックに分けて見ると、病院実習では関東、近畿、中国・四国では「35万円以上~40万円未満」が過半数を占めるが、北海道では「30万円以上~35万円未満」が6割超、東海・北陸では「27万5000円以下」が過半数を超す。九州・山口は「27万5000円超~30万円未満」「30万円以上~35万円未満」がそれぞれ41%、37%とほぼ均衡した。
また薬局実習については、「27万5000円以下」が東海・北陸で8割、北海道・東北で7割を超えた。関東、近畿、中国・四国では「27万5000円超~30万円未満」が中心で、関東57%、近畿76%、中国・四国、北海道がほぼ100%。
表:私立薬科大学(薬学部)実習経費の額別学生数