iPS細胞の臨床研究を了承
厚生労働省の詰問機関である厚生科学審議会科学技術部会は12日に、理化学研究所などが申請を行なっていたiPS細胞で、目の難病の一つである「加齢黄斑変性」を治療する臨床研究の実施を了承した。
7月中にも厚労省が正式承認をすることになっており、加齢黄斑変性の患者を対象として来年の夏にも移植手術が行われる可能性が高くなっている。なお、実施されれば世界では初ということになる。
また厚生労働省では6月26日にも、臨床研究計画について承認を行なっている。そのうえで今回は、上部組織である科学技術部会において、臨床研究計画が妥当であるかということについて、審議を行った。
(Wikiメディアより引用)
世界初のiPS細胞移植を実施
山中伸弥・京都大教授が、iPS細胞の作製を発表してから約7年となる。加齢黄斑変性というのは、目の奥にある網膜の一部に異常がおきることによって、視界の中央などがゆがんだり黒く欠けたりしてしまう病気である。
理研の高橋政代・プロジェクトリーダーらは、患者の皮膚の細胞からiPS細胞を作り、網膜の細胞シートに変化させて、目に移植する臨床研究を計画し、2月末に厚労省に申請を行った。
しかし現時点ではiPS細胞から作った組織を移植すると、患者の体内でがんになりやすいという指摘もある。そのため委員からは対処法などについて質問が出たのだが反対意見はなかったため了承された。
なお、永井良三部会長は「未知の細胞を使った治療法になるので、慎重に研究を進めて欲しい」と述べている。対象患者は薬などによる既存の治療法で効果がない50歳以上の6人となる。(福田絵美子)
▼外部リンク
「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」の概要
http://www.mhlw.go.jp/