舌と同量かそれ以上の味覚情報伝達分子群
京都大学は7月10日、コモンマーモセットの盲腸や大腸などにおいて大量の味覚情報伝達物質の発現を確認したことを発表した。
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研究は霊長類研究所で飼育されているコモンマーモセットで、定量的逆転写PCR法を用いて行われた。味覚情報伝達に関わるGタンパク質gustducinとTRPM5、および各種味覚受容体などの存在量を定量解析したところ、盲腸や大腸などで舌と同量かそれ以上の味覚情報伝達分子群が発現していることが確認された。
食性との関係か
コマンモーセットのような盲腸や大腸などでの大量の味覚情報伝達分子群の発現は、ニホンザルやヒヒ、リスザルなどの他の霊長類では観察されなかった。摂取した樹脂や樹液を盲腸で発酵するというマーモセットの食性との関係が考えられる。
ヒトでも胃・小腸・大腸等に味覚情報伝達分子群が発現し、直接的なホルモン分泌や神経回路を通して食欲や血糖値等を制御していることが知られています。マーモセットは近年、遺伝子導入などができるモデル霊長類として注目されているため、このような腸管での「味覚」の役割の解明に貢献できることが期待されます。(京都大学 発表記事より引用)
(小林 周)
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